祝!「稲荷湯修復再生プロジェクト」がユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の最優秀賞を受賞しました|せんとうとまちニュースレター vol.37
12月を迎え、暦は「師走」となり、年末年始の準備などで慌ただしくなりそうです。寒暖差による体調の変化にも十分に気を付けながら、良い年末年始を迎えられるよう、日々をお過ごしくださいませ。
今回のニュースレターでは大きなトピックとして、「せんとうとまち」が取り組んできた「稲荷湯修復再生プロジェクト」のユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の最優秀賞受賞があります!日本の銭湯文化が、ユネスコアジアを通じて世界にて評価いただいたことを、「せんとうとまち」一同大変嬉しく思います。詳細は以下に記載しておりますので、ぜひご覧ください。
そして、3年目を迎えた稲荷湯長屋は、おかげさまで地域の方々による運営も多くなりまちの湯上がり処として成長してきています。ぜひ、皆様も稲荷湯長屋にお立ち寄りください。
引き続き銭湯のあるまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の最優秀賞を受賞しました!
「せんとうとまち」が取り組んで来た「稲荷湯修復再生プロジェクト」が、2024年の「ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞」(UNESCO Asia-Pacific Heritage Awards for Cultural Heritage Conservation)において、なんと最優秀賞に選ばれました!
12月6日にオンラインで行われた受賞者の発表には、稲荷湯の店主とせんとうとまちの理事が出席しました。
この賞は、民間部門及び官民共同の取組のなかで、アジア太平洋地域における遺産としての価値を持つ建造物、場所及び資産の保全又は修復の優れた成果について表彰するものです。 今年はアジア各地から集まった52件の応募から8ヶ所が表彰され、日本のプロジェクトが最優秀賞に選ばれるのは、7年ぶりのことです。
審査員より、受賞にあたり以下のコメントをいただきました。日本の銭湯の建築的・社会的遺産の価値を呼び起こすムーブメントを先導するものだ、とコメントいただき、とても嬉しく思います。
稲荷湯及び稲荷湯長屋の修復再生は、衰退の一途をたどる日本の銭湯文化に対して正当な評価を与えるものである。建物を復元するために、伝統的な素材と職人技を駆使している。隣接する長屋を地域コミュニティの場所として改修することで、コミュニティの拠点としての銭湯の伝統的な役割を高めている。
このプロジェクトは、日本の銭湯の建築的・社会的遺産に対する新たな認識を呼び起こす全国的なムーブメントを先導するものである。新しく生まれ変わった銭湯及び長屋は、地域の結束力と回復力を高める上で遺産が果たす役割について、説得力のある証拠を示している。
今回の賞に申請したきっかけは、パートナーであるワールド・モニュメント財団(WMF)からの助言でした。稲荷湯修復再生プロジェクトは、2020年にWMFの「文化遺産ウォッチ」に選定され、財団による支援が決定したことを機に本格的に始動しました。稲荷湯がこうして再び海外から名誉を受けるのは、失われつつある貴重な文化遺産としての銭湯の価値が認められた証です。国内外に向けてその文化的価値の発信を続けながら、さらなる銭湯の保全活動につなげていきたいと考えています。
受賞にあたり、これまで「稲荷湯修復再生プロジェクト」にご協力いただきました関係者に厚く御礼を申し上げます。そして、稲荷湯を支え、稲荷湯長屋を地域の湯上がり処としてともに育んでいただいた地域の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。引き続き、皆様とともに、まちの拠点として盛り立てていけるよう尽力してまいります。
そして、引き続き、日本の銭湯文化の価値を広め、銭湯のあるまちなみの魅力を発信し広めていく活動に力を注いでまいります。ぜひとも皆様のご協力ご支援のほどよろしくお願いいたします。
▼ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞についての記事はこちら
https://www.unesco.org/en/articles/these-are-eight-winners-2024-unesco-asia-pacific-awards-cultural-heritage-conservation?hub=66925
稲荷湯長屋がまちの湯上り処として成長しています
2022年夏に完成した稲荷湯長屋は、3年目に入ってから「まちの湯上り処」として徐々に充実してきました。開業当時はせんとうとまちによる運営がほとんどでしたが、現在は地域住民によって多様な形で運営されるようになっています。
今年後半は火曜日に焼き菓子やバナナジュースを提供する「GOHOBIカフェ」、木曜日においなりさんを販売する「かようびのおいなりさん」、金曜日に座敷を間借りして湯上がりの整体を行う「整体サロンtotonou」は毎週出店しています。秋から土曜日の朝に月二回のヨガ教室も始まりました。
その他に多くの方々による1日限定の企画やポップアップカフェ、展示会、ワークショップ、数ヶ月に一回の営業などでもご利用いただいています。長屋が地域の集まりの場として成長する姿に、気軽にまちに関われる場所の需要を感じます。昔から地域の中核にある銭湯は、これからもこの重要な役割を果たしていけると考えています。
稲荷湯長屋では常に出店者や協力者の募集をしているので、ご興味のある方は気軽にinariyu.nagaya@gmail.comまでお問い合わせください。
「温泉気分展 We Love 湯ぅ~!」に参加します
浅草にある梅干しと羽釜ごはんのお店「梅と星」にて、12月10日(火)より温泉イベントが開催されます。
全国の「湯」のある場所を巡っては撮影を重ね、『ゆ場』と題した写真集を出されている写真家、柳原美咲さんの素敵な作品の数々を中心に多方面から日本の温泉文化を感じられる企画です。温泉遊技や各地のお土産なども楽しめる模様です。
期間中に行われるトークイベントでは「湯がつなぐ人と地域のぬくもり」をテーマに、せんとうとまちの栗生はるかも参加予定です。(要予約・有料)
いよいよ肌寒くなる季節、心も体もあたたまりにぜひ浅草にお越しいただければ幸いです。
■「温泉気分展 We Love 湯ぅ~!」
期間 2024年12月10日(火)~22日(日)※月曜休み
時間 10:00-17:00
場所 うわのそら(梅と星 2F)
●トークショー
柳原美咲(写真家)×栗生はるか(一般社団法人せんとうとまち代表理事)
12月14日(土)13:00-14:00 参加費 ¥1,500
梅と星
〒111-0032 東京都台東区浅草2-2-4
営業時間
9:00-11:00(朝定食)
11:00-17:00(昼定食 平日L.O.15:00、土日祝L.O.16:30)
※ご飯無くなり次第終了の場合があります。
▼梅と星 イベントページ
https://bamboo-cut.jp/activities/we-love-yu/
▼梅と星 インスタグラム
https://www.instagram.com/ume_to_hoshi/
『稲荷湯修復再生プロジェクト報告書』がどなたでも購入できるようになりました
この度、ユネスコのアジア太平洋文化遺産の賞を受賞した「稲荷湯修復再生プロジェクト」の報告書が、東京都北区滝野川の稲荷湯長屋にてどなたでも購入できるように冊子をご用意しました。
この報告書は、WMF財団による支援を通じて取り組んで来たなかで、稲荷湯再生のこれまでをまとめたものとなっています。滝野川稲荷湯や周辺地域の歴史に加え、伝統工法にこだわった長屋工事の経過や現在の様子などを丁寧にまとめました。数に限りがありますので、お早めにどうぞ!
1冊(カラー95ページ)2500円 賛助会員(月500円)をお申し込みの方は1500円
三田で「銭湯山車巡行」が行われました
関連団体の「BKY+銭湯山車巡行部」による「銭湯山車巡行」が、去る10月14日に港区三田界隈で実施されました。
日本建築学会のご協力で、建築会館での活動展示に合わせたお披露目となりました。過去10年間で廃業した銭湯の部材を寄せ集めて作られた山車が三田の各所を巡り、「銭湯」の存在感をアピールしました。
沿道からの沢山の応援に加え、田町の北四国町会では町会の方々によって休憩所が用意されるなど、地域の方々に支えられて今年も巡行を終えることができました。来年はあなたの街にお邪魔するかもしれません。
東京都でインバウンド向けの入浴割引キャンペーンが開催中
東京を訪れた国内外の観光客向けに、都内銭湯の割引入浴クーポンが配布されるキャンペーンを東京都生活文化スポーツ局が実施中です。
都内の対象ホテル・旅館に宿泊する国内外の観光客に、1回300円で銭湯に入浴できるクーポンを配付しています。
■クーポンの配付・利用期間
10月10日(木曜日)~令和7年2月28日(金曜日)まで
詳細は以下よりご覧ください。
▼「WELCOME!SENTO Campaign」の概要について
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/10/07/09.html
▼Welcome! SENTO Campaign公式サイト
https://welcome-sento.com/