今年度の「わたしのせんとうとまち」の活動内容を新聞として配布、東京大学との協働研究のお披露目会が実施|せんとうとまちニュースレター vol.36
2024年11月のせんとうとまちニュースレターをお届けします。
11月となり、暖かい季節から一転、急に肌寒い季節となりました。同時に、行楽シーズンや秋のイベント真っ最中で、週末には地域の小学校の運動会で元気な子ども達の声で賑わうなど、様々な催しが開催されています。
今月も、私たち「せんとうとまち」の活動についてご報告をさせていただきます。
昨年度に続いて今年度も開催している北区政策提案協働事業、北区の記憶あつめ「わたしのせんとうとまち」は順調に進展しています。活動の様子は「わたしのせんとうとまち新聞」を配布予定ですので、ぜひそちらをご覧ください。
他にも、東京大学のヒューマニティーズセンターとの協働研究のイベントが開催されるなど、稲荷湯長屋の取り組みを注目してくださる方々との協働も増えてきております。
また、銭湯界隈においてとても嬉しいニュースが飛び込んできました。長年銭湯絵師として活動されてきた中島盛夫氏がこの度「黄綬褒章」を受章されたということで、心よりお祝い申し上げます。
引き続き銭湯のあるまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
文化資源デジタルプラットフォーム「稲荷湯長屋」ワールドお披露目会が実施されました
去る8月、東京大学のヒューマニティーズセンター(HMC)の協働研究【開かれた人文学のための文化資源デジタルプラットフォーム 】の 「稲荷湯長屋ワールド」の成果お披露目会が「稲荷湯長屋」にて開催されました。
この試みは、東京大学の中村雄祐先生(人文社会系研究科)を中心とした研究者の方々による、文化資源のデジタルプラットフォームを作るプロジェクトです。
「稲荷湯長屋」をVR(ヴァーチャルリアリティ)空間として再現し、修復・再生過程の情報や写真を埋め込む作業が約1年にわたって行われてきました。タブレットやスマートフォン、PCなどのデジタルデバイス上で空間を体感しながら、修復・再生の経緯が一覧できるようになっています。
お披露目会では、参加者が「稲荷湯長屋」を現地との違いを体験したほか、VR空間にも設置された参考図書の紹介もありました。現在、VRメイキング解説やお勧め本リストを載せたコンパニオンサイトとともに最後の仕上げを行っています。最終的な報告はまた後日行われる予定です。
2年目も順調に展開中 北区政策提案協働事業「わたしのせんとうとまち」
昨年度から北区政策提案協働事業として実施している北区の記憶あつめ「わたしのせんとうとまち」。地域に点在する銭湯の記憶や界隈の歴史について調査などを行っています。昨年度の滝野川界隈7軒に続き、今年は赤羽界隈の銭湯と周辺のまちを対象に巡っています。
先日は「お玉湯」と「平和湯」にてイベントを開催しました。予想を上回る多くの方々にご参加いただきました。銭湯に60年、80年通っているという常連さんや、ご親族3世代で参加してくださるご近所さんなどで賑わい、まとめ切れないほどの貴重な銭湯とまちのエピソードが集まりました。
なお、11月9日(土)13時から14時半まで「露天風呂ゆの花」、11月13日(水)16時から17時半まで「藤乃湯」にて「わたしのせんとうとまち」イベントを開催いたします。詳細は「せんとうとまち」のSNSをご覧ください。
また、すでに実施した「テルメ末広」や「HOTランドみどり湯」について、聞き取った銭湯の記憶などをまとめた「せんとうとまち新聞」が刷り上がりました。これから北区の駅スタンドなどを中心に配布される予定ですので、ぜひお手にとってご覧ください。
銭湯背景画絵師の中島盛夫氏(79)が、黄綬褒章を受章
銭湯背景画絵師の中島盛夫氏が、その道一筋の業務に精励し衆民の模範となる方を対象とする「黄綬褒章」を受章されました。
18歳で福島県より上京し、初めて入った銭湯の巨大な背景に心奪われて銭湯背景画の世界に飛び込んだという中島氏。絵の具4色を混ぜ合わせながら、短時間で大画面を描き切る職人技を継承する銭湯背景画絵師は、全国でもごく僅かです。
この度の「黄綬褒章」を受章されたということは、銭湯業界にとっても大変喜ばしいことです。心よりお祝い申し上げます。
▼中島氏のXアカウントより
https://x.com/sentou_nakajima/status/1852566138032668885
▼令和6年秋の褒章受章者について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44760.html
褒賞受賞者名簿に、お名前と功績概要として「多年銭湯絵師としてよく職務に精励したこと」と記載されています。
写真は滝野川稲荷湯にて背景画を描く中島氏(2020年)
NIKKEI プラス ー何でもランキング「入浴以外も楽しい ネオ銭湯」の記事に協力しました
10月26日の日本経済新聞 NIKKEI プラス ー何でもランキング「入浴以外も楽しい ネオ銭湯」の記事に「一般社団法人せんとうとまち」も他数名の専門家とともに協力しました。
全国からリニューアルで独自の魅力を打ち出す銭湯を選出。話題の銭湯が10件ほど選ばれましたが、ユニークで魅力的な銭湯はまだまだ沢山存在します。記事をきっかけに銭湯に興味を持つ人が増えることを願っています。
「稲荷湯二軒長屋」が掲載されたウェブサイトが文化庁公式ホームページに関連リンクとして掲載されることになりました
「稲荷湯二軒長屋」がリノベーション事例として掲載されたウェブサイト「建築リノベーションアーカイブ.com」が、文化庁公式ホームページ「近代の文化遺産の保存と活用」に関連リンクとして掲載されることになりました。
「建築リノベーションアーカイブ.com」はJIA (公益社団法人 日本建築家協会) 再生部会によって作成された国内外の保存再生事例を集めているウェブサイトです。ぜひ、ご覧ください。