8月は毎日が夏らしい日々でした。ニュースによると、東京都内の8月は毎日が30℃以上の真夏日だったそうです。9月に入り行楽シーズンになってきましたので、秋らしく過ごしやすい日々になることを期待したいですね。
今回のニュースレターでは、小岩「照の湯」の解体前記録の様子、北区政策提案協働事業に向けた銭湯主インタビュー、稲荷湯長屋にて、神戸市議会の方々が視察にお越しいただいた様子などをお届けします。
また、9月1日発行の建築専門誌『新建築』では、稲荷湯長屋についての記事が掲載されました。誌面では、せんとうとまちの活動や思いについて、地域の湯上がり処としての稲荷湯長屋の再生にあたっての詳細な情報も掲載いただいています。
引き続き銭湯とまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。
銭湯とまちなみの素晴らしさを共有し、魅力を高めていくために、皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
小岩の昭和レトロ銭湯「照の湯」の解体前記録を行いました
昨年末に廃業を決めた、小岩の「照の湯」さんの解体前記録をさせていただきました。
プロの写真家による写真撮影のみならず、360度撮影、簡易な実測図、そして、石川県をルーツとし明治時代から銭湯を家業とするオーナーより、かつての銭湯やまちの様子についてなど貴重なお話をうかがうことができました。
タイル張りの珍しい番台、透かしの絵柄の入ったガラス戸、女湯にはずらりと並ぶベビーベッド。圧倒的な風情で、“昭和レトロ銭湯“として愛されてきた「照の湯」さん。
かつて相撲部屋オーナーのお屋敷だった場所に銭湯が建てられ、その後、現在のオーナーに買い取られた経緯があります。創業は戦後とされていますが、建物自体の年代は特定できず、かなり古いものであった可能性もあります。
大きく生い茂っていたヒマラヤ杉はお屋敷時代のもの、そして、銭湯内にある資生堂の看板広告は現オーナーになってからと、時代を重ねて複合的に発展してきた様子も魅力の一つです。
今回入らせていただいた建物の裏方や住居部分も、大きな改修もなく当時の風情を留めており、かつての銭湯の業態、ご一家の暮らしぶりが伝わる大変貴重な建物でした。
銭湯のこれからに活かせる記録として、今後公開ができる機会があればと思います。
北区の銭湯「大黒湯」「松の湯」にインタビュー
第四回、第五回の「わたしのせんとうとまち」開催に向けて、8月24日と26日に「大黒湯」と「松の湯」の銭湯主の方々にインタビューを実施しました。
「わたしのせんとうとまち」は、銭湯を中心として地域の記憶や歴史を集め紡いでいくために、銭湯周辺の地域の皆さまにお話をうかがうトークイベントで、今年度より弊団体と北区との政策提案協働事業として取り組んでいるものです。
第四回、第五回は、北区の中でも南に位置する「大黒湯」と「松の湯」。インタビューのなかで、お客さんや小学校の頃から手伝いをしていただいている三助さん、昔はロビーでカラオケができたこと、周辺には商店が多く賑わっていたことなど、過去のまちの様子や思い出を詳しくうかがうことができました。
「大黒湯」と「松の湯」の「わたしのせんとうとまち」イベントは9月22日に実施を予定しています。ぜひ、それぞれの銭湯や周辺地域のかつての様子にお詳しい方、今現在ご近所にお住まいの方、「大黒湯」と「松の湯」に現在通われている方まで、幅広く銭湯とその周辺地域に関わる方々のご参加をお待ちしております。
(イベントの詳細や参加の募集等は「せんとうとまち」のSNS等にて告知予定)
神戸市議会の方々が稲荷湯長屋へ視察にお越しいただきました
8月、神戸市議会の福祉環境委員の皆様が稲荷湯長屋へ視察にお越しいただきました。
稲荷湯長屋と稲荷湯を見学いただき、地域における「銭湯の活性化とまちづくりについて」、10名ほどの市議の方々との意見交換を行いました。
神戸市は、入浴料の値上げ補填や市内大学生割引など、公衆浴場の支援施策に関して先鋭的で実態に即した取り組みをされています。様々なご意見や感想をいただき、弊団体としても大変刺激になりました。
見学の最後には、稲荷湯近隣の老舗企業「亀の子束子」本店さんにもご案内させていただき、神戸市議の方々も稲荷湯界隈について満喫いただきました。
地域の違いなども含め、銭湯の可能性と今後のあり方に関して考える大変貴重な機会となりました。はるばるお越しいただきありがとうございました。
■お知らせ
雑誌『新建築』2023年9月号に稲荷湯長屋についての記事が掲載されました
建築専門誌『新建築』2023年9月号にて、せんとうとまち、および稲荷湯長屋についてご紹介いただきました。
紙面掲載にあたり、せんとうとまちの活動の背景や思い、稲荷湯長屋の再生にあたっての再生の過程、詳細な図面や施工関係の詳細な情報も記載されております。ぜひ、ご覧ください。
▼雑誌『新建築』2023年9月号
https://japan-architect.co.jp/shop/shinkenchiku/sk-202309/
NTTグループが運営するウェブサイトにインタビュー記事が掲載されました
NTTグループが運営するSustainable Smart City Partner Programのウェブ媒体にて、取材いただいた記事が掲載されました。
せんとうとまちが取り組んだ稲荷湯再生プロジェクトを中心に、銭湯とその周辺のまちとの関係性についてまとめていただいております。ぜひご覧ください。
▼「せんとうとまち」が取り組む東京・滝野川稲荷湯の再生と地域活性化https://digital-is-green.jp/branding/human-centered/sento.html
建築・インテリア雑誌『CONFORT』に、せんとうとまち・栗生の記事が掲載されます
建築・インテリア雑誌『CONFORT』にて、「銭湯の匂いのする温かいまちをどう守っていくのか」と題し、せんとうとまち・栗生による記事が掲載されます(9月5日発行予定)。
社会医療法人三宝会南港病院が再生した北加賀屋(大阪)の「寿楽温泉」や、株式会社narrativeが中心となって手掛けたSENTO HOTELで復活した御所(奈良)の「宝湯」等、地域密着の銭湯再生事例などを記事の中でご紹介しています。
▼『CONFORT』 No.193「風呂という冒険」
https://www.kskpub.com/book/b632868.htm
「KYEUMシリーズ2023」第二回ゲストにせんとうとまち・栗生が登壇します
都市、アート、文化、平和、そしてアジアと関連した社会的課題について文化的な手法を用いて解決を模索するカルチュラル・コレクティブ「Social Gallery KYEUM」の今年度のトークシリーズ第二回ゲストにせんとうとまち・栗生が登壇いたします。ぜひ、ご参加ください。
●Social Gallery KYEUM
https://kyeum.wordpress.com/
テーマ: ご近所のアップサイクリング -地域の魅力を掘り起こす活動-
日 時: 2023年9月24日(日)15時~
場 所: 白山倉庫 文京区白山2-19-9 2F
https://www.hakusansoko.com/
(白山駅・後楽園駅・春日駅 徒歩15分)
ゲスト:栗生はるか(一般社団法人せんとうとまち・代表理事、文京建築会ユース・代表)
参加費: 1500円(ドリンク+おやつ)
銭湯のみならず、地域の魅力を掘り起こす活動の一端をご紹介予定です。
銭湯の物品などが置かれている倉庫にて開催。お気軽にご参加ください。
事前予約制 定員25名
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちは、銭湯が持つ文化的価値に光をあてながら、銭湯とその周辺のまちの生活文化を育んでいる重要な建物や環境の潜在的価値を掘り出し、見える化し、広く社会に発信することで、歴史の積層を踏まえた「銭湯があるまち並み」の保全や再生、魅力の向上を図っていきます。
事業やプロジェクトを通じて、銭湯を基軸に地域の方々、そして、同じ志を持っている全国各地の人たちともつながりながら、ともに銭湯が地域にもたらす価値を高め、銭湯とまちとの持続可能なあり方を模索していきたいと考えています。