「わたしとせんとうとまち」えびす湯さん鶴の湯さんの回を開催、稲荷湯長屋を活用する人を募集しています|せんとうとまちニュースレター vol.22
23年8月のせんとうとまちニュースレターをお届けします
夏本番の季節となりました。今年の夏は連日の猛暑が続き、体調も崩しやすい時期ですので、体調にお気を付けて涼しく過ごしてください。
ニュースレターでは、北区との政策提案提案協働事業の一環として始まった「わたしとせんとうとまち」のえびす湯さんの回、鶴の湯さんの回の様子をお届けします。
また、中野区にある「天神湯」さんの内観記録や天神湯さんの昔の様子をうかがいました。昔ながらの雰囲気が残る宮作り銭湯の価値を再発見できる現場でした。
他にも、稲荷湯長屋を利用したい方々向けのメニューも用意するなど、地域の拠点としても整えてきています。
引き続き銭湯とまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。銭湯とまちなみの素晴らしさを共有し、魅力を高めていくために、皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
記憶集めトークイベント、えびす湯さん、鶴の湯さんの回を開催しました
本年度、東京都北区との政策提案協働事業の一環として始まった「記憶集めトークイベント わたしのせんとうとまち」。
銭湯を中心として地域の記憶や歴史を集め紡いでいくために、銭湯周辺の地域の皆さまにお話をうかがうトークイベントを7月21日にえびす湯さんの回、同日に鶴の湯さんの回を開催しました。
第2回のえびす湯さんの回では、飛鳥山博物館にてえびす湯さんとその界隈について6名の常連さんやご近所にお詳しい方にお話をうかがいました。
お話の中で、最近では銭湯常連の顔見知りが少なくなり少し寂しい一方で、若いお客さんが増えてきているというお話や、氏子域が重なる場所に「競走横丁」と呼ばれる商店街があり、日々お客さんも店主もそれぞれ競い合うほどの賑わいがあったといったお話をうかがいました。
えびす湯界隈では商店がなくなってしまったというお話もありましたが、銭湯は未だに地域の人々に親しまれているという雰囲気を感じました。
第3回の鶴の湯さんの回では、鶴の湯さんの脱衣所をお借りし、鶴の湯さんとその界隈について8名の常連さんや周辺のご家族にお話をうかがいました。
お話の中では、えびす湯さんのお話の時にも出てきた地域に一軒しかない魚屋さんが怖かったという共通のお話や、昔の銭湯は本当に混んでいてまず何よりも先に洗い場の場所取りをしてから服を脱いだという銭湯が賑わっていた頃のお話をうかがいました。
昔は界隈の人は皆顔見知りだったことや、共通の認識を持っていたことがわかり、地域がよく繋がっていたのだということを感じました。
これらのお話は、今後新聞やポストカードなどの刊行物で発信していく予定です。刊行物が完成しましたら、ぜひお手にとって北区の銭湯やまちの記憶に触れてみてください。
今後も、三年間かけて北区内の全ての銭湯を対象にイベントを開催していく予定です。活動にご興味や北区銭湯界隈の昔話をお持ちの皆様のご参加、心よりお待ちしております。
中野区「天神湯」の内観記録にうかがいました
中野駅から徒歩7分にある立派な宮造り銭湯「天神湯」。その名の通り、天神様が祀られた由緒ある神社が立地する一角で代々引き継がれてきました。
一時は廃業を考えられていたそうですが、今では娘さんたちご家族も加わり、その温かい雰囲気と「銭湯を盛り上げたい!」という活力を感じる銭湯です。
この度、久々に中普請(内部の改修)をするにあたって、現状の昔ながらの雰囲気を記録に収めたいという思いをうかがい、360度が映り込む全天球撮影をさせていただきました。
あわせて、昔の写真を拝見したり2011年の震災時に落ちて破損した鬼瓦の様子なども確認したりしました。
現在は改修により一時休業中ですが、今年の11月にはリニューアルオープンの予定だそうです。
せんとうとまちでも、天神湯さんの潜在的な価値を掘り起こすサポートを進めていけたらと思います。
全天球撮影協力:ワカ設計室 君塚和香
長屋の貸し出し利用を受付中です
7月の稲荷湯長屋は、地元住人の自主企画で二日間の沖縄ご飯のイベント、大正大学の学生たちによる盆踊りの休憩場所としての開放、王子のHOMEROOM101の皆さんによる2回目の「狐まつり」など、多様なイベントで賑わいました。
オープンから一年が経ち、ますます「まちの湯上がり処」として定着しているように感じます。
こうしたさまざまなイベントや催しは、地域の方々や長屋を活用してみたい、とご提案いただいてる方々によって企画されています。
稲荷湯長屋では、長屋を使ってお店を出したい、長屋とコラボして企画をやってみたい、長屋で内輪向けの懇親会や勉強会、ちょっとした講座やワークショップなどの利用など、利用用途にあわせたメニューを設けています。
あわせて、普段の長屋運営に関わってくださる方も募集しております。長屋でこんなことをやってみたいという方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
■お知らせ
入浴料の改定および東京都公衆浴場対策協議会委員の就任について
昨今の社会情勢や原油価格高騰などを踏まえ、2023年6月20日、東京都から都内銭湯の入浴料金の値上げが発表され、都内公衆浴場の入浴料金(大人)が、7月1日より520円(小人は据置)となりました。
こうした入浴料金統制額についてや銭湯運営にまつわるさまざまなテーマについて、東京都公衆浴場対策協議会にて議論されています。
今回、2023年(令和5年)2月の対策協議会より、せんとうとまち代表理事の栗生が委員として就任し、対策協議会にて現状の銭湯運営や銭湯を取り巻くさまざまな社会環境やこれからの地域課題などについて提案もさせていただいております。
対策委員会において、銭湯経営に関する議論や、公衆浴場を維持していくため、国や自治体による支援の重要性などについても提案しております。公衆浴場対策協議会の様子は議事録などを閲覧することができます。
銭湯サポーターフォーラムに参加します
銭湯ファンの交流会「銭湯サポーターフォーラム」が、2023年9月30日に開催されます。
せんとうとまちは、昨年に引き続き、出展者として参加させていただいております。イベント参加は定員の都合により事前申し込みによる抽選制となっております。ご関心のある方は、ぜひご参加をお申込みください。
参加申込およびイベント概要はこちら。
▼銭湯ファンの交流会「銭湯サポーターフォーラム2023」9月30日(土)開催! 参加者募集中!!
「区画・再開発通信」2023.07 vol.643 にて、栗生が巻頭記事を寄稿しました
1968年から50年余り、最新の区画整理・再開発情報、都市計画情報と各地の住民運動の記事の数々を会員向けに毎月発行(12頁立て)している月刊「区画・再開発通信」 vol.643の巻頭記事を栗生が担当しました。
「銭湯から考えるまちづくり」(執筆/栗生はるか) と題し、銭湯のような地域に既にある大切な資源を起点にまちを考えることの重要性について、活動紹介を通じて問いかけた記事になっています。