心地よい風が吹き抜ける、新緑の気持ち良い季節となりました。お出かけや行楽シーズンを楽しむ人も増えてきたかもしれません。私たちせんとうとまちの活動も、新たな年度を迎え、活動の幅も広がりつつあります。
4月のニュースレターでお知らせしたとおり、荒川区にある帝国湯が1年ぶりの休業からの運営再開となりました。地域の方々に愛されてきた銭湯が再び営業する喜びは、私たちにとっても大きな一歩です。その準備を支援する中で、銭湯の重要性とまちなみの一部としての役割を再認識いたしました。
せんとうとまちは、引き続き銭湯とまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。また、本年度からの新たな取り組みとして、北区と協働で事業も展開します。銭湯のあるまちなみを通して生まれた人々との日々の営みを記録し、地域の新たな価値としていく重要な活動です。こちらの様子も、適宜みなさまに活動の様子をお伝えしてまいります。
引き続き、銭湯とまちなみの素晴らしさを共有し、魅力を高めていくために、皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
帝国湯1年ぶりの営業再開、当日の様子をレポートします
荒川区の帝国湯が4月16日(日)に1年ぶりの再開を果たしました!
多くの銭湯が休業や廃業に追い込まれる中、一度休業した銭湯が再開することは決して簡単なことではありません。
先代の女将さんがお亡くなりになり、休業に入ってから1年。先代の意思を引き継いだご親族と番頭さんご一家は、1年間にわたり2日に一度の窯の火入れ作業を続け、いつでも再開できる準備を辛抱強く行ってきました。
再開直前にはせんとうとまちでもお手伝いし、お掃除や情報発信などの準備をサポートしました。
帝国湯の皆様の思いに応えるため、タイルの研磨や汚れ落としといった根気のいる作業を総力を挙げてお手伝いし、少しでも心地よい状態で再開を迎えられるよう努めました。再開当日は、帝国湯の見どころであるツツジも花開き、名物の熱い湯も復活しました!
長い間お待ちいただいた常連の皆さんはもちろんのこと、近隣の商店や馴染みのご近所さん、銭湯経営者の仲間など、多くの方々が祝福に訪れる喜びに満ちたひと時でした。また、帝国湯の名物である番頭さんとお馴染みの方々との久々の再会も心温まる光景でした。そして、なんとこれからは娘さんがお父さんに変わって新たな番頭となりました。
銭湯の運営はこれからが本格的な勝負です。
心地よい湯上りが楽しめるとても気持ちの良い季節となりました。帝国湯のゆったりと広がる縁側を味わいにぜひお越しください。
長いお付き合いを心からお願い申し上げます。
帝国湯の最新の情報はInstagramやTwitterで日々の様子が投稿されています。ぜひご覧ください。
帝国湯住所:東京都荒川区3−22−3 三河島駅より徒歩7分 日暮里駅より徒歩15分
営業時間 15時〜22時 定休 月曜日
帝国湯再開の様子が、さっそく東京新聞に掲載されました。
▼前番頭の長女が釜炊きに奮闘 荒川区の帝国湯、1年ぶり営業再開 「この古さ受け継ぎたい」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/247839
北区との政策提案協働事業が開始
私たちが関わる滝野川稲荷湯とそのお隣で運営している稲荷湯長屋を含めたエリアである北区は、都内でも地域に銭湯が多く存在する地域でもあります。
今回、北区と協働し、銭湯を核とした多世代間の地域コミュニティや、地域の記憶や歴史を紡ぎだすアーカイブ事業を通じたまちづくり事業を、最長3年間実施いたします。
事業にあたって、稲荷湯のみならず、北区の各銭湯の方々と連携しながら、それぞれの銭湯を核に様々な取り組みを行ってまいります。「せんとうとまち」として、この事業をきっかけに、行政とも連携しながら銭湯がある地域づくりを推進してまいります。
まずは、滝野川エリアを中心に、銭湯周辺に住まわれている方々に昔の地域の写真などを持ち寄ってこれまでを語っていただくワークショップを数回ほど開催します。
そして、ワークショップで聞き語りした内容などをもとに、地域の歴史や魅力を伝える活動を行っていきます。銭湯を核に、地域の方々が集い、語る場を通して、銭湯とともに暮らす地域について思いを馳せ、地域に暮らす多様な世代が交流するきっかけとなればと考えています。
▼北区政策提案協働事業 候補事業の決定 について
https://www.city.kita.tokyo.jp/chiikishinko/kurashi/volunteer/jigyo/kohojigyo.html
■お知らせ
銭湯山車、明日開催の「神田祭」で巡行します
ここ10年で廃業した銭湯の部材を用いて出来上がった銭湯山車。廃業した銭湯を弔い、現役の銭湯を寿ぐ、せんとうとまちも協力するこの活動が、今年は天下祭りの「神田祭」で練り歩きます。
神田祭の本番は今週末の5月13(土)。コロナ禍もあり、4年ぶりに開催される神田祭です。
参加する「附け祭」は江戸時代に絶大な人気を誇った出し物で、巨大なはりぼての人形や様々な衣装、流行の音楽や踊り子などが登場する行列で、平成に入り復活しました。
当日は相馬野馬追や様々な曳き物と共に、水天宮前の有馬小学校を15時あたりに出発し、日本橋の中央通りを通って神田明神前にて18時あたりに到着予定です。
銭湯山車も今回に合わせてバージョンアップし、40名程の隊列で中央通りや神田明神前で簡単な演舞も予定しています。またとない機会ですので、ぜひ見にきてください。
▼「神田祭の楽しみ方マップ」の⑧のルートで練り歩きます
https://visit-chiyoda.tokyo/app/upload/files/undefined.pdf
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちは、銭湯が持つ文化的価値に光をあてながら、銭湯とその周辺のまちの生活文化を育んでいる重要な建物や環境の潜在的価値を掘り出し、見える化し、広く社会に発信することで、歴史の積層を踏まえた「銭湯があるまち並み」の保全や再生、魅力の向上を図っていきます。
事業やプロジェクトを通じて、銭湯を基軸に地域の方々、そして、同じ志を持っている全国各地の人たちともつながりながら、ともに銭湯が地域にもたらす価値を高め、銭湯とまちとの持続可能なあり方を模索していきたいと考えています。