11月、夕暮れが早くなり肌寒い季節にもなりました。寒暖の差が出てきていますので、皆様、体調にはお気を付けてお過ごしください。
今月も、せんとうとまちの活動をご紹介いたします。
10月10日の「銭湯の日」を記念して、様々な銭湯でイベントや催しが開催されました。
今回、内閣府首相官邸SNSの各種アカウントにてご紹介いただき、海外に向けて銭湯の魅力や私たちの活動が紹介されたことは大変嬉しく思います。
引き続き銭湯のあるまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
内閣府首相官邸SNSにてせんとうとまちの活動が紹介されました
10月10日「銭湯の日」にちなんで、日本政府の海外広報として日本の魅力、文化、技術などを発信している首相官邸公式SNSの各種アカウントより、一般社団法人せんとうとまちが実施した「滝野川稲荷湯修復再生プロジェクト」についてご紹介いただきました。
滝野川稲荷湯の修繕や併設する長屋の再生プロジェクトも海外の財団からの支援があり実施することができました。このような発信を通して、滝野川稲荷湯のみならず日本の銭湯文化存続のために、日本国内だけでなく海外からの注目や支援を集めることができればと願います。
各種投稿は以下よりご覧いただけます。
▼X(旧Twitter)「The Gov't of Japan」
https://twitter.com/JapanGov/status/1711672931665998187
▼X(旧Twitter)「japan」
https://twitter.com/japan/status/1711672934648205527
甘味処・みやまの物品を長屋で引き取りました
滝野川 稲荷湯付近の中山道沿いで今年で59年営業していた甘味処・みやまが8月に廃業し、隣地にあった老舗種屋・滝野川種苗と海苔屋の敷地とともに再開発されることになりました。
みやまを経営していた山田ご夫妻はご高齢になっても、最後まで毎日の営業を続けていました。せんとうとまちのメンバーは稲荷湯の調査に入った頃から通い、取材にもご協力いただいていました。
今回、長年使っていた椅子や鏡、厨房の器具などを大切に引き取らせていただき、稲荷湯長屋で活用することにしました。
また、あんみつのレシピなども共有していただきました。これから、アイスもなかを長屋で提供することで、少しでもみやまの記憶を同じ地域の中で継承していけたらと思っています。
銭湯の周辺の生態系を織りなす老舗の個人商店は、現代の社会の変化の中においてとても貴重な存在です。今後も、地域一帯の調査、記録、継承に向けた努力を続けていきたいと考えています。
長屋で開催された地域の方々の主催イベントが盛況です
稲荷湯長屋では、徐々に地域の方々による利用が増えてきています。
最近では、月2回の湯上がり整体サロンが始まり、多数のワークショップやアート教室が開催されています。先日には、3回目の「狐まつり」も開催されたほか、土間と座敷の特徴を活かした「一箱本の市」が初めて開催され、昼間から参加者が本について語り合う様子で賑わっていました。
喫茶風のモーニングも今回初めて実施しました。11月は定番のクラフトコーラや沖縄ごはんのイベントのほか、入場無料の湯上がりジャズライブも予定されています。詳細はSNSをご確認ください。
今後もこうして地域の方々が企画を持ち寄って長屋の新たな可能性を引き出してくれることを期待したいです。
せんとうとまちのウェブサイトにて、長屋の紹介と利用方法のご案内を用意しました。長屋を使ってみたいとお考えの方はぜひご覧いただき、気軽にお問い合わせください。
銭湯山車が東京・隅田で巡行
せんとうとまちも協力している、「今はなき銭湯を弔い、今を生きる銭湯を寿ぐ、銭湯のための祭り」として令和3年に始まった「銭湯山車巡行」。
今回、10月22日に開催された「すみだ向島EXPO2023」にて、墨田区京島の商店街や銭湯前を「銭湯山車」が巡行しました。
稲荷湯長屋のお披露目会でもお世話になった「チンドン!あづまや」さんによるチンドン屋の演奏とともにまちを練り歩き、銭湯の魅力を街角で発信。地域に根ざしたアートイベント「すみだ向島EXPO2023」を盛り上げました。
▼すみだ向島EXPO 2023
https://sumidaexpo.com/
▼すみだ向島EXPO 2023 銭湯山車の詳細はこちら
https://sumidaexpo.com/contents/1335/
台湾・北投温泉博物館のイベントにて取り組みを紹介しました
10月29日、理事の三文字が台湾・北投温泉博物館開館25周年のイベントに登壇しました。日本で行っている銭湯の記録保全活動や、銭湯山車の取り組みを、台湾の観衆に向けて、1時間に渡って紹介しました。
■お知らせ
各種公開講座にて銭湯とまちづくりに関する活動紹介を行いました
10月17日、 横浜国立大学大学院 Y-GSA公開講座「横浜都市建築学」において、「都市を耕す」をテーマとした連続レクチャーシリーズの一つとして、「銭湯とまちの再生ー地域の生態系を編み直すー」というタイトルでせんとうとまちの栗生がお話をさせていただきました。学生中心の参加者に、銭湯が消えていく都市の背景から、それらと対峙していく活動の数々をご紹介しました。
▼【公開講座】横浜建築都市学2023秋学期「都市を耕す」開催のお知らせ
https://y-gsa.jp/lecture/2023f
また、10月18日、JIA(公益社団法人 日本建築家協会)再生部会セミナーにおいて、「地域活動から奇跡の保存再生事例まで」と題し、栗生が関わった保存再生事例のうちの一つとして稲荷湯長屋の再生報告を行いました。建築の保存や活用を専門とする専門家の皆さまに聞いていただき、情報交換をすることができました。
第98回HMCオープンセミナー「建築教育・まちづくりとアナログ&デジタル文化資源」のご紹介
現在、稲荷湯長屋の歴史や工事のアーカイブをVRにてまとめる試みを行っている、東京大学の方々のセミナーがあります。
テーマはデジタルデータの文化資源デジタルプラットフォームの構築に向けた基礎研究についてで、セミナーの最後に、稲荷湯長屋の記録状況についてのご紹介があるとのこと。建築やまちづくりにお詳しい方も、そうでない方も楽しめるセミナーとなっています。
日時:2023年11月6日(月)17:30 - 19:30
開催形式:Zoomオンライン
▼セミナー詳細およびお申込みはこちら
https://hmc.u-tokyo.ac.jp/ja/open-seminar/2023/98-Analog-and-Digital-Cultural-Resources/
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちでは、活動を支援してくださる賛助会員及び寄付を募集しています。
せんとうとまちは、銭湯が持つ文化的価値に光をあてながら、銭湯とその周辺のまちの生活文化を育んでいる重要な建物や環境の潜在的価値を掘り出し、見える化し、広く社会に発信することで、歴史の積層を踏まえた「銭湯があるまち並み」の保全や再生、魅力の向上を図っていきます。
事業やプロジェクトを通じて、銭湯を基軸に地域の方々、そして、同じ志を持っている全国各地の人たちともつながりながら、ともに銭湯が地域にもたらす価値を高め、銭湯とまちとの持続可能なあり方を模索していきたいと考えています。