代官山のアートフェスに参加、NYTにて記事掲載、金沢21世紀美術館での展示等、銭湯を巡る活動に参加中|せんとうとまちニュースレター vol.53
新緑がまぶしく、街を歩くのが心地よい季節となりました。少し汗ばむ日も増え、湯上がりの風が気持ちよく感じられる頃です。
今号では、代官山で開催される都市型アートフェスティバル「DEFOAMAT」への参加をはじめ、ニューヨークタイムズによる銭湯存続危機の記事掲載、そして金沢21世紀美術館での「銭湯山車巡行」の展示・巡行企画など、「銭湯」と「都市」の関係性を改めて考えるような活動をご紹介します。
引き続き、銭湯のあるまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
代官山で開催の都市型アートフェスティバル「DEFOAMAT」5/13-17に参加します
「せんとうとまち」は、代官山エリアで開催される都市型アートフェスティバル「DEFOAMAT」のアートの部門に、展示とトークイベントで参加します。
今年で2回目となる本イベントでは、アート、都市、コミュニティ、音楽など、多様な領域で活動する実践者たちが集い、「これからの都市のあり方」や「人が共に生きる場」について考えるプログラムが展開されます。
「せんとうとまち」は、インドネシア・ジャカルタを拠点に活動するアートコレクティブ「ruangrupa(ルアンルパ)」による展示・交流プログラム《Shared Living Room》に参加します。
ruangrupaは、2000年にジャカルタで設立されたアーティスト・イニシアチブ/アートスペースです。展覧会やフェスティバル、リサーチ、教育プログラム、出版活動などを横断しながら、アートを「作品を展示すること」に閉じず、人々が集まり、学び合い、関係性を育てるための社会的実践として展開してきました。近年では、2022年に開催された世界的国際展「documenta 15」の芸術監督を、アジアのコレクティブとして初めて務めたことでも大きな注目を集めています。
今回の《Shared Living Room》も、完成された展示作品を“鑑賞する”場というより、「集う・話す・刷る・配る・食べる・考える」といった行為そのものを通して、都市や共同性についての対話が生まれていく空間として構想されています。
そのような視点から考えると、銭湯も単なる入浴施設ではなく、人が偶然出会い、地域の関係性が育まれていく“都市のリビングルーム”のような存在として捉えられるかもしれません。
今回のトークイベントでは、京島で長屋再生などを通じた地域活動を行う「暇と梅爺」の後藤大輝氏、そして東京・三田で20年近くにわたりセルフビルド建築《蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)》をつくり続けてきた建築家・岡啓輔氏とともに、それぞれの現場から見えてくる“共棲”の価値について対話します。
「せんとうとまち」からは、栗生はるか、三文字昌也、サム・ホールデンが登壇予定です。
また、5月13日〜17日の会期中は、ruangrupaと登壇者たちによる小展示も会場内で展開されます。「せんとうとまち」からは、これまでのプロジェクトの報告書等に加え、関連団体である「銭湯山車巡行部」や「文京建築会ユース」の協力のもと、廃業した銭湯から引き取った物品なども展示予定です。
トークイベント概要
「リビングルームとしての都市 ― 自力建設・長屋・銭湯が開く共棲の価値」
都市の中に、誰かの居場所や関係性をどう育てていけるのか。
再開発や効率化が進む時代の中で、自力建設、長屋、銭湯といった実践から、“共に生きる都市”の可能性を考えます。
• 日時:5月14日(木)14:00–16:00
会場も趣きのある建物です。展示とあわせて、ぜひ会場でご覧ください。
『ニューヨークタイムズ』が燃料費の高騰による銭湯の存続危機を取り上げ、当団体からのコメントを掲載
ニューヨークタイムズは2日付の記事で、燃料費の高騰による日本の銭湯の存続危機を取り上げました。記者が密着した長野市の創業138年の「梅の湯」では、月に約2千リットルの重油を使用しており、ただでさえ厳しい経営状況が、さらに圧迫されている様子が伝えられています。燃料費の高騰が長期化した場合、全国の銭湯が大きな打撃を受け、廃業に追い込まれる可能性も高まっています。
公衆浴場の支援拡充が議論される中、経済合理性だけでは測れない銭湯の価値について、「長年通われているご近所の利用客も多く、日常的に交流が行われている場所になっています。高齢化社会でますます孤立が問題になっている今、銭湯が生き残るために支援する理由が大いにある」と、当団体のサム・ホールデンによるコメントも掲載されています。
<記事はこちら>
金沢21世紀美術館にて「路上、お邪魔ですか?」展が開幕!「銭湯山車巡行」が展示されています
4月25日より開催中の金沢21世紀美術館「路上、お邪魔ですか?」展に、関連団体である「銭湯山車巡行部」が参加しています。
本展は、路上観察や都市空間をテーマに、多様な表現者・研究者・アーティストが集う大規模な展覧会です。先日行われたレセプションには、国内外で活躍する出展作家が集い、華やかな雰囲気の中で開幕を迎えました。ゴールデンウィーク期間中も多くの来場者で賑わい、さまざまな関連イベントが開催されるなど、会場は活気に包まれています。
展示作品「銭湯山車巡行」は、解体されていく銭湯から集められた部材を用いて制作された山車作品です。長年にわたり地域の銭湯と向き合い続ける中で収集してきた記憶や風景、そこに流れていた時間を受け継ぐように生まれました。
急速かつ無作為に更新されていく都市の風景の中で、失われつつある地域の記憶や居場所を、微力ながらも思い起こす機会を、街中での巡行を通して発信しています。
会場では、山車本体に加え、活動や制作背景をまとめた映像作品も展示されています。また、今回の展示に合わせて、山車本体の改修・アップデートも施されています。ミュージアムショップでは関連グッズも販売中です。
さらに本展では、「路上」をテーマにした多彩な作品群も大きな見どころとなっています。写真、映像、資料展示、観察記録など、さまざまな視点から都市や街の風景を捉えた作品が並び、世代やジャンルを超えた豪華な参加作家陣による展示は、会場全体を通して高い密度と迫力を感じさせます。街を歩くことや、普段見過ごしてしまう風景への視点が新たに開かれる内容です。
また、本展開催にあわせて、「せんとうとまち」代表であり、「銭湯山車巡行部」メンバーでもある栗生はるかが、本展キュレーターで建築史家の本橋仁氏とともに、金沢21世紀美術館によるポッドキャストに出演しています。展示企画の背景や、「銭湯山車巡行」に込められた思い、路上や銭湯文化について語っていますので、ぜひ展覧会とあわせてお楽しみください。
金沢21世紀美術館のポッドキャスト/レーベル「21Hz」
Ep142 栗生はるかさんと話してみた
さらに、5月31日(日)には金沢市内にて「銭湯山車巡行」を開催予定です。本イベントでは、《銭湯山車》が展示室を飛び出し、地域の祭りに実際に参加します。舞台となるのは、野田中校区で毎年開催されている地域行事「たいこ・みこし行列」。百万石まつりの一週間前に行われる、地域の子どもたちのための伝統行事です。
当日は、野田中学校周辺を、地域の子どもたちによる山車や神輿とともに巡行する予定です。また、能登半島地震後に七尾市一本杉通りで制作された《ちびでか山》も加わり、ともに街を巡ります。展示作品としての山車が、実際の地域の祭りや路上の風景の中に入り込み、人々と交わる貴重な機会となります。
午後には、金沢市役所第二本庁舎にて特別見学会およびトーク&ディスカッション「水とまつりのレジリエンス」も開催予定です。能登半島地震の際、銭湯が被災者に開放され、地域の癒やしの場として機能したこと、また地域の井戸が生活インフラとして重要な役割を果たしたことなどを踏まえ、「防災」と「水」という視点から、路上と地域コミュニティの関係について考えます。
トークには、栗生と同じく「銭湯山車巡行部」であり、「せんとうとまち」メンバーでもある三文字昌也も登壇予定です。会場は金沢市役所第二本庁舎1階ロビーで、申込制(予定)にて開催されます。
路上を舞台に、祭りと防災、日常と非常時、そして地域の記憶をつなぐ一日となります。ぜひご注目ください。
銭湯山車巡行(5月31日)












