新年のご挨拶、鋭意制作中!北区の銭湯7軒をまとめた「せんとうとまち新聞」と関連展示のご案内|せんとうとまちニュースレター vol.27
24年1月のせんとうとまちニュースレターをお届けします。
新しい年を迎えてから早くも2週間が過ぎようとしています。
この度の令和6年能登半島地震により被災された皆さまに、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
新年早々の大きな災害に気持ちの落ち着かないなか、1月2日には各所の銭湯で初湯が行われ、熱い湯にいつも以上に心癒された方も多かったのではないでしょうか。
震災が起こるたび、被災地にて銭湯をはじめとした入浴施設がいち早く立ち上がり、被災された多くの方々の心身の救いとなっている知らせを耳にします。同時に、こうした大変な局面だからこそ支えとなる隣人同士の助け合いの重要性を再確認し、日頃から人と人がつながる場、地域の拠り所としての銭湯のような場所の大切さを痛感させられます。
災害のみならず様々な要因で生活環境が大きく変化していく昨今。その場所に蓄積されてきた土地固有の文化や歴史、街並み、人々のつながりをどう継承していくか、日々課題に感じています。
そのような問いを抱えながら2023年度から取り組んでいる東京都北区全域の銭湯を対象とした銭湯と周辺のまちの記憶あつめ「わたしのせんとうとまち」 (北区政策提案協働事業)が、1年の節目を迎えようとしています。銭湯主や銭湯の常連の皆さまから、地域の歴史や記憶、思い出をうかがい、その土地が育んできた魅力あるかつての情景に、これからの可能性を模索しております。
まだまだ世の中は高く、早く、便利に、簡単に……と終わりのない成長を目指す方向にありますが、足元の大切なものを見落とさず、今年も引き続き、愚直に、丁寧に、歩んでいきたいと思っています。
変わらず、一つでも多くの銭湯と周辺のまちなみ、生活、ご近所付き合いを未来につないでいけるよう、身体も心もあたたまる活動を展開していきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人せんとうとまち 代表理事 栗生はるか
「大成建設自然・歴史環境基金」より助成金をいただきました
この度、大成建設の社会貢献活動として運営されている「大成建設自然・歴史環境基金」より助成金をいただくこととなりました。
「大成建設自然・歴史環境基金」は、“人がいきいきとする環境を創造する”という大成建設グループの理念を踏まえ、地球社会の健全で持続的な発展のため自然環境の保全や再生、歴史的建造物等の歴史的・文化的な環境の保存や活用を支えるための基金となっています。
いただきました助成金をもとに、せんとうとまちがこれまで取材・記録を行ってきた銭湯文化の保全継承活動に使わせていただきます。中には廃業し今はもうその姿が残っていない銭湯の過去の記録も残されており、貴重な資料を丁寧にアーカイブしてまいります。
新年、稲荷湯の朝風呂と長屋で甘酒を楽しむ
稲荷湯長屋では、1月2日の朝7時から滝野川稲荷湯の朝風呂にあわせて甘酒を提供しました。初湯の湯上がりに、子どもからお年寄りまで多くの地域の方々が足を運んでくださいました。
オープンしてから一年半が経過した今、長屋の存在はようやく地域で幅広く知られるようになってきた実感があります。
2月にも地域の方による企画が予定されているので、SNSにてイベント情報をぜひチェックしてみてください。
北区政策協働事業「わたしのせんとうとまち」6、7回目を開催しました
12月16日土曜日に第6回、17日に第7回、地域の記憶集めトークイベント「わたしのせんとうとまち」を開催しました。
第6回ではクアパレスゆうゆうの休憩室で開催し、クアパレスゆうゆうとその界隈について、常連さんや70年間三助さんとして勤めていた方にお話をうかがいました。
お話の中で、昔祖母と一緒に来て牛乳を飲んだといった思い出話や、顔馴染みが来ない日があると心配になるといった銭湯コミュニティの重要さを感じる話が交わされました。
三助さんからは「昔は一日70人もの背中を流して、そのお金で毎日近所の飲み屋さんで番頭さんとお酒を飲んでいたんだ」といった、かつての銭湯の賑わいを感じるお話をうかがうことができました。
第7回は飛鳥山温泉のロビーで開催し、飛鳥山温泉とその周辺の街のお話について昔からの常連さんだけでなく、近年通うようになった常連さんにもお話をうかがいました。
かつてロビーがミニ飲み屋さん(カラオケ付き)だった頃、毎日歌いに来ていたというお話や、祭りのカラオケ大会では一番前に座り銭湯の常連同士で茶化したり花束をあげていたりしたことなど、銭湯とまちのユニークな話も飛び交いました。
最近通うようになった常連さんからは「地下水をそのまま使うことで季節によって変わる水風呂の温度に魅了され、雑司ヶ谷からバイクで来てるんです」といったお話をお聞きすることができました。
「わたしのせんとうとまち」でうかがったこれらの内容は「せんとうとまち新聞」やポストカードなどの刊行物で発信してまいります。新聞やポストカードが出来ましたら、ぜひお手にとって北区の銭湯やまちの記憶に触れてみてください。
今後も北区内のすべての銭湯を対象にイベントを開催していく予定です。
せんとうとまちの各種SNSにてイベント情報や刊行物に関する情報も発信しています。区内の銭湯や地域にまつわるお話をお持ちの方々、活動にご興味やご関心のある方のご参加、心よりお待ちしております。
鋭意制作中! 北区の銭湯7軒「せんとうとまち新聞」配布、関連展示「わたしのせんとうとまちー北区の記憶あつめー」展 vol.1 滝野川
北区と連携し取り組んでいる北区政策提案協働事業の「わたしのせんとうとまち」は、2023年度(令和5年度)から3年かけて北区の現役銭湯全23軒(令和5年現在)をめぐり、銭湯と周辺のまちの歴史や物語を聞き取り、広く共有していきながら多世代間の交流を促し、地域のコミュニティ再生へとつなげることを目指しています。
2023年度は、これまでニュースレターでもご紹介してたように滝野川地域界隈の銭湯7軒のインタビューやイベントを実施してまいりました。
その成果の一つである「せんとうとまち新聞」や周辺のまちを紹介するポストカードの制作が進んでいます。間もなく、本年度で実施した銭湯や北区内の駅スタンド、図書館などで配布予定ですのでぜひお手に取ってご覧ください。
あわせて「『わたしのせんとうとまち ー北区の記憶あつめー』展 vol.1 滝野川」と題し、3月中旬から3月末にかけて王子駅北口のカルチャーロード・ギャラリーや稲荷湯長屋などで「せんとうとまち新聞」やポストカードの配布や掲示、さらには本活動に関わる様々な内容をご紹介する展示も企画しています。新聞やポストカードに載せきれなかった情報など、地域の様々な歴史や文化に触れる場となっています。
詳細は次回以降のニュースレター、ホームページ、SNS等で告知予定です。どうぞお楽しみに。
■お知らせ
朝日新聞デジタル &Travel「わーるどみーつ湯」に記事が掲載されました
東京の魅力発信プロジェクトTokyo.Tokyoにおける朝日新聞社、東京都、東京観光財団の共同実施「わーるどみーつ湯」にて寿湯の長沼亮三さん、東京浴場のサガラマサユキさんとせんとうとまちの栗生で「楽しみたい、残したい、Tokyoのお風呂屋さん 若手経営者らと語る」をテーマに東京の銭湯の魅力や今後について話した記事が掲載されました。
東京の銭湯を支える若い銭湯主お二人のエネルギーとアイデアに元気をもらえる内容です。
▼楽しみたい、残したい、Tokyoのお風呂屋さん 若手経営者らと語る