杉並時間で銭湯連載企画、銭湯ニュースも追加|せんとうとまちニュースレター vol.4
新年早々、新型コロナウイルスの感染拡大が話題となっています。都内では大雪もあった1月となりました。年が明けて、急に肌寒くなってきました。体調管理には十分にお気を付けください。
せんとうとまちでは、引き続き長屋再生に取り組んでいます。長屋完成後は、地域に開かれた場所になります。作って完成ではなく、そこからいかに利活用するかも重要なポイントです。みなさんからのアイデアもお待ちしています。ニュースレターでは、理事の三文字によるコラム、今回から追加した銭湯ニュースなどをご案内いたします。
2022年は、稲荷湯の長屋再生のみならず、各地の銭湯とともに、銭湯のあるまち並みづくり、持続可能な銭湯とまちとの関係を模索する一年に向けてまい進してまいります。
引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。
稲荷湯の長屋再生、着々と進んでいます
土壁、荒壁のワークショップを開催するなど、少しずつ長屋再生は進んでいます。
現在は、長屋の各種建具の設置を行っています。元の長屋の建具はだいぶ破損していたので、以前のニュースレターでもご案内した、墨田区にあった昭和30年代建築の牛乳販売店なら一部を転用しています。建具のレスキューとともに、こうした新たな場所で建具が利活用されることで、また新たな歴史が積み重なっていきます。
そのほか、長屋と稲荷湯との境目の壁や収納棚の設置、長屋のキッチン、トイレまわりの設計検討などを行っています。
長屋再生後は、地域に開かれた場所として活用していきますので、建物の再生だけでなく、長屋を活用した企画やイベントなどもこれから検討してまいります。長屋を活用してこんな取り組みをしたい、と考えている方がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。
杉並区のフリーマガジン「杉並時間」にコラム協力として銭湯企画が連載開始
地域密着型のフリーマガジンとして『杉並時間』というメディアが創刊されました。紙媒体とウェブ媒体を併用し、地域のあらゆる文化にスポット当てたお店紹介やタイアップ企画などが掲載されるとのこと。
さまざまなコンテンツや誌面やウェブで展開されるなか、せんとうとまちは「杉並銭湯時間」という連載企画の1つに関わっています。毎号、杉並区にある銭湯を紹介するコーナーで、私たちとしても杉並区にある銭湯を巡る良い機会になれば、と思っています。
初回は1月25日発行、次回は3月10日発行予定。フリーマガジンとなっていますので、ぜひ手に取ってご覧ください。ウェブにも、誌面のコンテンツが掲載されています。
▼杉並時間
https://suginami-time.com/
■コラム「せんとうとまちと私」
せんとうとまちに関わるメンバーらによるコラムをご紹介します。「せんとうとまちと私」をテーマに、それぞれの考えや普段見聞きするちょっとした話などを思い思いに掲載してまいります。
今回は、せんとうとまち理事の1人である三文字より、自身の研究フィールドである台湾などを始めとした、東アジアの銭湯文化について触れていただいています。
世界の銭湯から 序章
銭湯は日本だけのものではありません。韓国・台湾・中国をはじめとする東アジア各地には、それぞれルーツの異なる銭湯文化が根付いています。(台湾の銭湯の歴史については「建築ジャーナル2021年11月号」に寄稿していますので、ぜひご覧ください。弊団体の他のメンバーも寄稿しています)。ここで特にご紹介したいのは、中国の銭湯(澡堂子)です。中国ではそれこそ宋・元の時代から公衆浴場が栄えていたと言われていますが、そうした浴場の文化は今にも伝わっているようです。
中国の古くからの銭湯の様子は、1999年に張楊(チャン・ヤン)という映画監督が撮った「こころの湯(1999年、原題:洗澡)」という映画の中で見ることができます。北京の下町で「清水池」という銭湯を営むお父さんと二人の息子の物語なのですが、映画の最後では、まちの再開発や父親の死にともなって清水池は閉業を余儀なくされることとなります。地元の人に愛され利用されてきたのに、惜しまれながら取り壊しを迎える──こう書くと、なんだか今の日本の銭湯の話とパラレルに思えてきませんか?
近所の風呂なし住宅の住人が通っていたという点で、銭湯の使われ方は日本とほぼ同じだったと言えるでしょう。一方、大きく違うのは銭湯内のサービスです。北京の銭湯の場合、浴室前の広い空間に寝台がたくさん並べられており、店主のマッサージを受けたり拔罐子(吸い玉)というガラス壺を使った治療を受けることができます。同じ部屋には持ってきたコオロギを壺の中で戦わせたり誰かと将棋を指したりと、日本以上に自由に過ごすことができたようです。
現在の北京市内に残る銭湯は、とても少なくなっています。私も2014年から複数回北京を訪れていますが、行くたびに銭湯の数が減っていくのを実感しています。新型コロナが明けて北京に行った時にどうなっているのか、心配です。
コロナで海外に行けない数年間ではありますが、日本の銭湯に入りながら、海外の銭湯に思いを馳せてみては。
三文字昌也
■メディア掲載
情報誌「地域人」に土壁ワークショップの様子が掲載されました
情報誌「地域人」 第77号(22年1月11日発行)に、稲荷湯の長屋再生に関して取材いただき、記事が掲載されました。
土壁ワークショップを中心に、伝統技法である竹小舞で編んでいる様子や、左官職人さんらへのコメントなどが掲載されています。
▼『地域人』ご購入はこちら
https://amzn.to/3seKAeu
フジテレビ「めざまし8」で稲荷湯が放送されました
1月31日、フジテレビ「めざまし8」で滝野川稲荷湯が取り上げられました。フランス人銭湯大使温泉のステファニー・コロインさんを中心に、銭湯の魅力などについてご紹介いただきました。
▼番組紹介はこちら
https://twitter.com/cx_meza8/status/1487769259917078528
■銭湯ニュース
銭湯に関するさまざまな記事やニュースをご紹介いたします。
浅草キッドの玉袋筋太郎さんによる連載企画で稲荷湯を取材いただきました
浅草キッドの玉袋筋太郎さんが、新旧の日本文化の担い手に話を聞きに行く連載企画の第15回目に、滝野川稲荷湯の5代目・土本公子さんへの取材記事が掲載されています。
稲荷湯ができた背景やこれまでについてのみならず、玉袋筋太郎さんならではの視点から語られる銭湯の魅力が詰まった記事になっています。記事の最後で触れられている、立川談志師匠の「銭湯は裏切らない」という台詞や”銭湯は最高のアミューズメントパークだ”という表現が登場するなど、読み応えのある記事になっています。
▼玉袋筋太郎が大正3年創業の老舗で銭湯の神髄に迫る!
https://getnavi.jp/life/698312/
銭湯を継いだ「第二寿湯」オーナー鴫原さんのこれまで
東京・江戸川区にある銭湯「第二寿湯」を経営している鴫原和行さん。奥さんの実家である銭湯を引き継いだ鴫原さんの、継承から今までのこれまでについてがまとまっています。
▼単身赴任を嫌い風呂屋に転身 〝銭湯文化〟再興の旗振る番頭
https://news.yahoo.co.jp/articles/10e6b52f55333f16ea90ca85c151bfe1ab50d81a
銭湯文化を発信するステファニーさんの思い
稲荷湯をご紹介いただいた「めざまし8」に登場した、日本文化を海外に発信するフランス出身のステファニー・コロインさんの紹介記事です。2008年に1年間の留学中に銭湯と出会い、そこから銭湯の魅力にはまったステファニーさん。銭湯文化の魅力について語っています。
▼「銭湯文化を絶やさないで」相次ぐ廃業、後継者不足…“銭湯愛”貫くフランス人の訴え https://news.yahoo.co.jp/articles/7c3a6e55ab4de83954f3ec06f673aeff19830fa7