せんとうとまち ニュースレターをお届けします vol.1
こんにちは。
私たちは、銭湯のあるまち並みの魅力向上に取り組んでいる一般社団法人「せんとうとまち」です。2020年11月に設立したこの団体は、関わるメンバーが増えたり、さまざまな活動にお声がけいただいたりと、取り組みへの賛同やご支援をいただくことも増えてきました。
私たちが取り組むさまざまな事業やプロジェクトを通じて、銭湯を基軸に地域の方々とつながりながら、また、同じ志を持っている全国各地の人たちともつながりながら、ともに銭湯が地域にもたらす価値を高め、銭湯とまちとの持続可能なあり方を模索していきたいと考えています。
そこで、私たちの普段の取り組みや、活動を通して考えていること、活動そのもののご報告だけでなく、銭湯にまつわる話やまちに関する話などを定期的にお知らせするためのニュースレターをお送りすることとなりました。今後、ニュースレターのコンテンツも増やしていき、皆様に楽しんでもらえるような内容もお送りしていきます。
銭湯のある豊かなまち並みづくりのため、ぜひ皆様からの引き続きの応援やご支援をいただけますと幸いです。
代表理事:栗生はるか 理事:牧野徹、三文字昌也、サム・ホールデン、江口晋太朗
滝野川稲荷湯の長屋再生も本格化
撮影:サム・ホールデン
土壁ワークショップに向けた下準備 撮影:大久保勝仁
せんとうとまちの立ち上げにも大きく関わっており、現在もプロジェクトの大きな柱となっている、東京都北区の滝野川稲荷湯の長屋の再生が、本格化してきています。支援をいただいているワールド・モニュメント財団およびアメリカン・エキスプレスの資金を活用して長屋を改修し、地域に開かれた場所とするため、鋭意、調査や工事を進めているところです。
再生事業の詳細などは、せんとうとまちのnoteやFBなどでもお知らせいたします。皆様にお披露目したり、一部、改修などに参加できる機会も設ける予定です。内容が決まりましたら、皆様に改めてご連絡をさせていただきます。
銭湯山車、巡ってます
撮影:大久保勝仁
せんとうとまちも協力している「銭湯山車」(BKY+銭湯山車巡行部)。7月18日から8月31日までの間、東京ビエンナーレ2021のソーシャルダイブプロジェクトとして、銭湯で使われていた物品を再構成した「山車」で東京の街を「巡行」する様子が、まち中において銭湯のある風景をつくり出しました。終着地の文京シビックセンターでは、主催の文京建築会ユースによる「銭湯山車大総集展」が開催され、大いに賑わいました。
その後、9月7日から10月3日までの間、法政大学市ヶ谷キャンパスの「HOSEIミュージアム」で開催された江戸東京研究センター特別展では、江戸東京のアイデンティティというテーマにあわせて銭湯山車の展示を行いました。
屋台キャラバン(水が出ているところ) 撮影:大久保勝仁
撮影:大久保勝仁
「銭湯の日」でもある10月10日は、隅田公園で開催された「屋台キャラバン」にて、さまざまな屋台に並んで銭湯山車も出展されました。銭湯山車のカランやシャワーは水が出るようになっており、陽気に恵まれ、子供たちが水浴びをする様子など、多くの方々が楽しまれていました。
銭湯山車という、銭湯を違った角度で楽しみつつも銭湯に思いを馳せる活動を通じて、銭湯の新たな魅力を感じてもらえたのではないかと思っています。
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銭湯山車の取り組みは、多くのメディアで掲載いただいています。(以下、一部。その他、北日本新聞や全国浴場新聞等にも掲載)
・日テレ:ぶらり途中下車の旅(太川陽介が南北線でぶらり途中下車の旅)(6月27日)
・東京新聞:弔い、エール 銭湯山車巡行 廃業後の蛇口やロッカーなど使用 文京の建築家ら企画(8月14日)
・オマツリジャパン:廃業した銭湯が山車に生まれ変わる!?「銭湯山車」に込められた想いとは?(10月6日)
・All About Japan:【深度日本】錢湯不能亡!專業錢湯宅拯救錢湯大作戰!(10月20日)
電気湯・京島プロジェクト始まりました
屋台キャラバン(水が出ているところ) 撮影:大久保勝仁
床材の取り外し 撮影:大久保勝仁
レスキューした建具の搬出 撮影:サム・ホールデン
せんとうとまちは、稲荷湯のみならず、各地の銭湯とともにさまざまなプロジェクトを展開しています。せんとうとまち事務局メンバーである大久保が経営する、墨田区の銭湯「電気湯」がある京島でも活動を展開しています。活動の1つとして、電気湯すぐ近くにある「明治牛乳吾妻西販売所」の実測・建具レスキューを行いました。
「明治牛乳吾妻西販売所」は、前面道路の拡幅によって取り壊される予定の長屋です。この長屋は昭和35年に建築され、丁寧に手入れをされながら今年の6月まで住われていました。ガラス扉などレスキューした建具は、近隣の長屋の修繕や稲荷湯の再生に再利用される予定です。また、電気湯と連携していろいろなプロジェクトも準備しています。乞うご期待。
メディア掲載:一冊まるごと銭湯特集
月刊誌「建築ジャーナル」11月号『特集 銭湯のある風景』に、弊団体メンバーの対談や寄稿が以下のラインナップで掲載されています。建築ジャーナルの編集部からご相談いただき、特集の多くをせんとうとまちメンバーや関係者の原稿を入れさせていただきました。
●銭湯座談会「なぜ今銭湯か 銭湯が持つ多様な価値とまちとのつながり 銭湯文化を残すために」(栗生、江口、牧野、サム)
●コラム「銭湯とまちとの関係性」(栗生はるか)
●コラム「銭湯から見る、東京の隠れた公共性と歴史を知る」(サム・ホールデン)
●コラム「台湾における銭湯史 「湯の国民」による海外統治と銭湯」(三文字昌也)
●コラム「僕が銭湯を継いだ理由」(大久保勝仁)
他にも、品川区大崎にある金春湯、荒川区西尾久の梅の湯、千代田区内神田にある稲荷湯、渋谷区東にある改良湯の銭湯経営者対談、廃業した銭湯の建物再生に関する寄稿、被災した自宅の再建と銭湯開業をされた熊本市神水、沖縄の銭湯事情など、さまざまな銭湯にまつわる内容が詰まった一冊となっております。ぜひご覧ください。