3年目の北区政策提案協働事業、今年度の舞台は「王子」|せんとうとまちニュースレター vol.42
5月となり、今年は、長いゴールデンウィークを過ごしている方もいるのではないでしょうか。晴れ晴れとした天気で、お散歩やおでかけにも最適な季節です。お休みの日のおでかけ後の銭湯もオススメですので、ぜひ、近場の銭湯にお立ち寄りください。
一昨年度から取り組んでいる北区との政策提案協働事業の3期目がスタートしています。一昨年度の滝野川界隈、昨年度の赤羽界隈に続き、本年度は王子界隈の銭湯を中心に活動を行っています。本事業も今年度が最後の年となり、これで北区全域の銭湯をカバーする形となります。王子界隈にお住まいの方、ぜひとも活動にご協力いただけますと嬉しいです。
引き続き銭湯のあるまちなみの魅力を発信し、広めていく活動に力を注いでまいります。皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
トークイベント「わたしのせんとうとまち」滝野川浴場、金星湯での開催
北区政策提案協働事業が3年目に突入しました。これまで取材やイベントを行った北区の銭湯は14軒に達し、それらをまとめた1軒1軒の魅力を紹介する新聞も14号分発行済みです。あわせて、対象銭湯の周辺の街を取材したポストカードも各銭湯にて配布中です。
北区で現役の銭湯は22軒。今年度は、王子界隈を中心に周り、北区全軒の達成を目指します。今年度1軒目は滝野川の「滝野川浴場」。1年目に開催を延期していた滝野川浴場のイベントを5月8日(木)に実施予定です。
先日実施した店主へのインタビューでは、かつて若くして事業承継し、苦労を重ね銭湯を守り抜いてきた女将から、常連さんとの心温まるエピソードを伺いました。解体業を兼業していることもあり、廃材を活用した内装や洗い場に据えられた手作りの池など個性的な空間も楽しめる銭湯です。
2軒目は王子神谷の「金星湯」。日曜に朝湯が行われ、アイデアマンの店主によるお手製の豪華モーニングが入浴料と同じ550円で提供されるユニークな銭湯です。こちらは6月15日(日)、モーニングに合わせてイベントを実施予定です。
どちらも周辺地域の昔の様子にお詳しい方からご近所にお住まいの方、現在通われている方まで、幅広くご参加をお待ちしています。(詳細は北区役所や駅にて配布されるチラシ、北区や「せんとうとまち」のSNS等にて告知いたします)
「銭湯山車巡行」@神田祭 5月10日(土)まもなく開催!
「せんとうとまち」の関連団体である「文京建築会ユース」が廃業した銭湯の物品によって作り上げ、2021年より都内を巡行している銭湯山車。2年前の初参加に続き、江戸三大祭の一つ「神田祭」の附け祭(つけまつり)に公式参加します。
前回のニュースレターでもご案内をさせていただきましたが、開催が近づき、関係者一同目下準備に奔走中です。天下の神田祭、晴れて二回目の登場ということもあり、今回の巡行は人数も、山車の華やかさや鳴り物の賑やかさも、前回から大きくパワーアップした姿で臨みます。
ルートは、水天宮の有馬小学校を15時頃に出発し、日本橋三越前中央通りを闊歩して、秋葉原を通り18時頃に神田明神に宮入り。東京都浴場組合はじめ多くの方々にご協力、ご支援いただき江戸東京の文化「銭湯」の存在をアピールして参ります。ぜひ応援よろしくお願いいたします。
また、今回は神田祭参加に合わせて、5月4(日)〜30日(金)まで、銭湯山車が普段仕舞われている墨田区の「電気湯」にて関連展示「特別な日常を忘れないために—電気湯×銭湯山車巡行」を行う予定です。ぜひ、入浴ついでにご覧ください♨️
▼「神田祭」公式ページ 附け祭 巡行路
https://kandamatsuri.com/tsukematsuri/
[銭湯山車巡行とは]
文京区を拠点に建築・都市を専門とするメンバーが中心となって、地域の見過ごされがちな資源を建築的視点から再発見し、その魅力を発信し続けている「文京建築会ユース(BKY)」。
特に銭湯に関する活動は当団体の主軸の一つとなっており、次々と廃業してゆく銭湯を実測や見学会によって記録に残すと同時に、営業中の銭湯を支援するために多様な取り組みを行ってきました。
2019年、文京建築会ユースの有志を中心に、彫刻家・村田勇気ほか銭湯を愛するメンバーを加え「銭湯山車巡行部」を結成。廃業した銭湯の部材を活用して、伝統的な山車を模した「銭湯山車」を制作しました。「今はなき銭湯を弔い、今を生きる銭湯を寿ぐ、銭湯のための祭りを。」をコンセプトに、独自の祭礼「銭湯山車巡行」を生み出し、「東京ビエンナーレ2020/2021」や「令和五年神田祭 附け祭」「すみだ向島EXPO2023」などに参加してきたほか、単独での巡行も開催するなど銭湯が培ってきた文化を各地で発信しています。
「神田祭」参加のための協賛もお待ちしております!(5月7日水曜12時まで)
▼申請フォーム
https://forms.gle/AkyLdDL5KnZovdC99
東京都が実施する「公衆浴場承継マッチング事業」に関するコメントが日本経済新聞の4月29日朝刊号に掲載されました
東京都が今年度から開始する「公衆浴場承継マッチング事業」に関連して、当法人の代表理事・栗生が日本経済新聞の取材を受け、コメントを寄せました。
都は「公衆浴場後継者支援事業」を通じて、公衆浴場を引き継ぐ後継者に対し、賃料や改修費などの負担を軽減するための補助を行うとのこと。
これに対し、栗生は「譲り受けたいという希望者がいても、現経営者が承継に踏み切れないことが多い」と述べています。その背景には、代々苦労して築き上げてきた銭湯を他人に託すことへの心理的な抵抗があるのは当然とも言えるでしょう。
また、同記事内では宇田川湯の山村氏が「住居と銭湯が一体化した構造が、承継の大きな障壁になっている」と指摘しています。
こうした中で、経営者が納得できるかたちで銭湯を次の世代に引き継いでいく方法を見つけることは、非常に困難かつ重要な課題となっています。
▼廃業相次ぐ銭湯、東京都が承継支援 マッチングや改修後押し(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0984L0Z00C25A4000000/
英紙「フィナンシャル・タイムズ」に、銭湯の社会的価値について言及する理事のコメントが掲載されました
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」紙に4月11日に掲載された記事で、近年リニューアルが行われているさまざまな銭湯や日本の入浴文化の背景が取り上げるとともに、当法人の理事であるサムのコメントが紹介されています。
建築や健康の面のみならず、「街の日常のリズムをつなぐ場所」としての銭湯が持つ価値について言及しています。日本の生活文化が海外でも知られる中で、今後もまちなかの銭湯の情緒を求めて訪れる外国人観光客が増えていくでしょう。
“Sento are spaces that remain rooted in the ordinary rhythms of neighbourhood life,” says Holden. “They give people and families a sense of belonging and attachment to their local communities, so it’s important they continue to thrive.”
▼Inside Japan’s Most Beautiful Bathhouses (Financial Times)
https://www.ft.com/content/085fa1cb-458b-4086-a1f4-dc11514d1e22
丸山清人×千奈 二人展「THE 銭湯富士」展 開催中
4月26日(土)から5月6日(火)まで、日本でごく僅かの銭湯背景画の絵師である丸山清人氏とお孫さんの千奈氏による銭湯富士の個展が開催中です。
二人の絵師が織りなす銭湯富士の世界をぜひ楽しみに訪れてみてください♨️
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https://kiyotofuji.amebaownd.com/pages/8814445/page_202503200220